ゆめなかのうた
森を吹き抜ける風は
夜は少し冷たく
それが朝の光をまとうと
キラキラとあたたかくなり
遠い真っ青な海から
あっというまにやって来て
森の中を吹き抜けて
熊や狐や栗鼠やむささび
椎や欅や杉やはなばな
たくさんの生きものを
撫でてとおり過ぎてゆく
天使が通ったあとみたいに
風が吹き抜けたあとは
しあわせ色に
染まるんだ
とてもここちよい夢を視て
泣きたくなるほど美しい幻を視て
僕はもういいやって
生きてゆくのもいいかもねって
小さな声でうたう朝には
君が隣で寝てくれている
綺麗な寝息をたてながら