灯(ともしび)
常夜灯に吸い寄せられる
夜の蛾のように
夜の僕は
コンビニの光に吸い寄せられる
バイトの帰り道
なにかが要るわけでもないのに
足が流れてしまうのは
ただ暗い夜に
コンビニがポツンと暖かく
輝いていてくれるからだろうな
海岸に流れ着く流木みたいに
排水口に吸い込まれる水みたいに
僕はコンビニの灯に吸い込まれる
夜の道は
すこし孤独が増すからかな
明るい未来が
そこでは手に入ると想えるからかな
そして水の中を泳ぐように
店内をなにを探すでなくみて回り
美味しそうなエサをみつけると
それをパクリといっちゃうんだ
まるで釣られた魚みたいだね
明るい未来というエサに釣られた僕は
あとは家までの一本道を歩いて帰る
胸に抱きしめた暖かさに
ホッと安らかな気持ちにしてもらって