初めての夜
夜が訪れる
流星が音もなく落ちる街で
初めて君をみかけた
やはり君も星をみあげ
すこし笑っていた
人は僕たちの周りを
雑音みたいに通り過ぎていった
ただつっ立ってるふたりは
お互いに気づいて
軽くあたまを下げあった
満天の星のもとで
僕は綺麗ですねと声をかけて
君は恥ずかしそうにうつむいて
いいえそんなことありませんと
首を横にふったんだ
僕は驚いてしまって
思わず真剣に訂正を入れたんだ
この街ではこんな綺麗な星
めったにみられないんですよ
素早く顔を上げて
弾けるように笑い出したから
僕はそのとき彼女が
とんだ勘違いをしていたのだと気づいて
ごめんなさいって真顔で頭を下げた
それがふたりの初めての夜