ポエム
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風ばかり






枯れた海
人間世界の果てに鳴く
うみねこ一羽輪を描く終末

トモシビの
あたたかい気が満ちる部屋
好きなら好きを迷わないでね

罪を知る
ふたりぼっちの幸せを
そっと笑える僕らは無罪だ


満月へ
かかる階段だけみあげ
心呆れた秋のまぢかに

そんな時
赤く泣いてる踊り場に
命を干すなら悲しみの歌


かわいいと
おもったことだけまだないな
あたしの目を見て、切なさの街

眠れない
いっぱいあふれるへんな気持ち
だけが残って抱き寄せたくなる

銀の花
最果てかぜの吹く白夜
いずれ孤独をこらえて寝る恋

口説く目で
吸い込む可憐な花の恋
ふたりそれぞれキスした軽めの

姉が逝き
冬の花火をしんみりと
微笑みながらするひとしきり


飛び降りたい
屋上からの偽りに
昨夜のカラダに吹いた涼風(すずかぜ)

太陽が
似合う酒の名わすれたな
ボトルにキスして探しておくれよ


苦しくて
こんな恋ならあの夜に
好きという嘘つくんじゃなかった


青春と
いう名の岬のみえる丘
一心不乱に海ゆく船みた

夢もみた
抱かれて痺れた春の宵
雪が、桜のようにキスした


目薬を
仔猫の隣でさしてから
上手にニャア〜って泣き真似をする

天国が
待っているのはだれのこと
わすれたふりしてただ風邪でした







23/10/27 18:18更新 / 花澤悠



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