鯨とレモン
かのじょが
い亡くなってから
そうだな
一年くらいは
僕はダメダメで
生きてるっていったって
まるで
宇宙服のなかで息してるみたいな
心と世界が
すこししか一致していない
それでも息してるだけみたいな
時間を過ごしてきたよ
けれどギリギリのところで
世界とかけ離れなかったのは
あのころ彼女に教え込まれた
最低限の身のかまいかたを
忘れることなく
実行できていたからだろうな
けっして優秀な生徒ではなく
壊滅的な劣等生ではあっても
先生が先生だったので
なんとか
あまり後ろ指とかさされずに
済んだのかもしれない
彼女がいなくなってから
そうだな
三年くらい
僕はまだダメで
彼女がいなくなってから
そうだな
死ぬまで僕は
彼女を追いかけるのだろうか
なら、それは
すこし悲しい心の道だね
あゝ、それにしても
幸せになりたい
しあわせになりたいよ
なら、宇宙の鯨をちょうだいよ
僕が絶対幸せになれる
愛の夢たる
鯨をネットワークで歌わせてちょうだい
ねぇ、レモン
あゝ、レモンの夢が欲しい
悲しみの夜なんて偽物なんだ
そんな
なにが正しいかわからない
覚悟だけ
持って。
ハハ、
笑えると
ただのお笑いみているだけで
笑えたら僕、幸せかもだね。