ポエム
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秋は
幸せのなかに
少しだけ寂しい香りがするから好き

さすらって
さまよって
生き生きて
ここまで来たのは

燃え滓なのかもしれない

けれど
まだ燃える
優しさがまだ燃えることがあるから

長い過去を振り返って
ほんとうに美味しいものを
食べた夜のことを
想い出し

でも
だから人生って
生きてる価値あるとか
そんな過去の栄光に縋るみたいな
みっともない真似だけは
ずぇーったいにしないと
心の中
心の奥深くに刻み込み

世界と
相対する
べつに
ムキになってるとか
揶揄されても
いいよ

ほんとうを知ってるのは
私だけだって
私が知ってるから

だいたいのことは
顔洗って出直せば
新しい季節になるって
知ってる


私じつはこれ
確信してるのだが
世界は
幸せの風が吹く
優しい物語なんだよ
だからじつは
ちょっとだけ
鼻の奥がツンとする

秋は
幸せのなかに
少しだけ寂しい香りがするから好き







23/09/28 19:26更新 / 花澤悠



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