大大阪に雨降る夜
今宵、ま暗な雨音が
耳の奥まで入り込む
いつも聴こえぬ飛行機の
音まで聴こえる低い空
ただひとり寝の涼しさを
誰に告げれば、良いのかと
泣かした男の涙さえ
忘れて消えて白くなる
流した私の甘い蜜
初めて知った清い水
いつもむやみに眠たくて
さよならだけが残る夜
大大阪の紫の
今宵、雨さえ突き刺さる
夜もてっぺん回るころ
静かに眠る街のなか
遠くを走るトラックの
音だけ聴こえて小雨降り
ただ眠れない焦燥を
抱えて布団をかぶる闇
かつて愛した人のこと
忘れた涙の痛みとか
枕に沈んで溺れたい
ほどの真夜中小雨降る
いつ忘れても良い人と
さよならしたのも嘘じゃない
大大阪に音もなく
深夜小雨が泣いている