ポエム
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真夜中って、ちょっと泣かされちゃうよね。


  

身構えた。
ヤバい、と、想った。

想いながら、読みつづけた。

読み、過ぎてみれば、案の定。

流された。

あ、違う。

泣かされた。

ニセモノダトオモッタ、
カナシイトハ、オモワナカッタカラ、
ナノニ。
ニガイミズガ、
ニジンデ、トマラナカッタ。
ソレハトテモニガクテ
トテモトテモニガクテ

ヤバカッタ。

なぜ、こんな偽物に、心を
傾けてしまうのだろう、と、考えた。
私も、偽物だからだと、気づいた。

そして世界をみまわしたら、
本物なんてどこにもいなかった。

読むのに夢中になれた。
そのひとつだけは、本当だった。
悲しいとは、想わなかった。
この悲しみは、偽物だと知っていたから。

獣に、涙は、似合わないから。
そして。
私は、この獣が、愛おしいと想った。

夢中に、愛おしい、と、想った。

あ、ごめん、あとひとつ、あったね。
この、とてもとても愛おしいと想う
この気持ちも、また、

本物だったよ。




23/09/17 06:11更新 / 花澤悠



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