真夜中って、ちょっと泣かされちゃうよね。
身構えた。
ヤバい、と、想った。
想いながら、読みつづけた。
読み、過ぎてみれば、案の定。
流された。
あ、違う。
泣かされた。
ニセモノダトオモッタ、
カナシイトハ、オモワナカッタカラ、
ナノニ。
ニガイミズガ、
ニジンデ、トマラナカッタ。
ソレハトテモニガクテ
トテモトテモニガクテ
ヤバカッタ。
なぜ、こんな偽物に、心を
傾けてしまうのだろう、と、考えた。
私も、偽物だからだと、気づいた。
そして世界をみまわしたら、
本物なんてどこにもいなかった。
読むのに夢中になれた。
そのひとつだけは、本当だった。
悲しいとは、想わなかった。
この悲しみは、偽物だと知っていたから。
獣に、涙は、似合わないから。
そして。
私は、この獣が、愛おしいと想った。
夢中に、愛おしい、と、想った。
あ、ごめん、あとひとつ、あったね。
この、とてもとても愛おしいと想う
この気持ちも、また、
本物だったよ。