ね?
水かおる
色かおる
水中で笑むくちびるの色っぽさたら
どんなひとでも釣れそうな
しあわせの反対
「賛成の反対なのだ」と
あるいは
「反対の賛成なのだ」
わかるひとにはわかる
だれかのまねをして生真面目に
じぶんの好きなひとに
眼をみながら云えるのは
陽気な夜の魔女だからかな、きみ
朝の四時、窓ガラスが震える
磁石でくっつけられたみたいに
ふたりは離れられないのに
夜に干した洗濯はぼくのこころだというのも
面白い
ずっと白いまま
さぁ、白む朝、
夢のしめには恋愛花火にありがとう
って云った
そして窓を開けて
流れる川を覗きこむ
水の中の生活はマリオネットだね、
まるで
そこではしあわせな、
水かおる
花はるか
赤レンガ塀を背にしてキスを待つ
花はるか
三日月へハシゴで登る魔女と鷹
と
花はるか
五月雨の落ちる速さで刺され恋
ってそんなこと云いながら
ちょっと余裕な
花はるか
静けさにつつまれる眼をみつめ合う
ハハ
花はるか
と
ぼく
なぁ夢のつづきを鳴くな
花はるか
月かける
星くずは
落ちるんじゃなく
流れ去る青春の夜
たしかに
欠けていた月
満月の
真円を
整えて
白さをむねに溢れさせる夜のしじまが
三日月へかわるのに
あとなんにち待てばよい
待てば、よいのだろう
みんな世界は
パーティーでしたか?
ぼくの部屋では
心臓が静かな小雨を聴いている
十字架を握りしめすぎた手は
ほかにはなにも持てない
別れよう
という言葉が御礼になるような
そんな予感に溺れているよ
まぁじつは恋愛なんて不知火よ
雨かすみ
雨が好き
ただ雨が降る直前の匂いが好き
その匂いを吸いこんで
バッカみたいにひとりで
うつむき笑ってんだぜ?
だって
笑うしかなくて
街は
洗われるために汚れていて
まるでふたりの出会いみたいじゃない?
ふたりは
別れるために出会ってしまった
みたいな?
ただこころが濡れて
流れてゆくよ?
あのときみた
あのひとのそっとこっちに向けてくれた
ほほえみを
さ
悲しいみたいな微笑みを
想い想ってただ泣くんだ
子どもみたいに
さ
そんなあたし
じぶん
好きになれるわけない
残り香
ちゃんと忘れなくちゃ
なんのこと?
じゃねーつーんだよ
絶対敵じゃないから
しっかりとこころも
丸めたもん
あーあ、
かえるべきところへ
かえろう、
よ?
ね?