メロディー
悲しくなんかないんだ
夜は静かなほうがいいだろ
ひとり
納得して
眠ろうか
でも
晩夏
すこし早い
秋の虫たちが
賑やかに合奏してくれてるから
実は静かでも
ないんだけどね
こんなにも
時が経つのが早いのは
あんなにも
さまざまな想いを
したからだろうな
なんて
考えてみたりするのを
そっちのけで
翼の折れた天使たちが
ここちよいメロディーを
歌ってくれているよ
それはまるで
あの、
《愛》
みたいだ
今夜も眠れない
嫌なことを
忘れられないからじゃなくって
とても賑やかな
秋の虫たちのせいさ
優しくて
すこし儚い
翼の折れた天使たちの
せいさ
ひとりじゃなくなった
夜に
すこし
《愛》を感じて
まるで
メロディーに
ひっぱられるように
深い眠りに
落ちたい
堕ちたい