新生
山手の丘に吹く風は
山吹色に視えました
心が裸になるようで
真白な花も揺れました
少し歩くとせせらぎの
音が聴こえて来たのです
小魚たちもちょこまかと
忍者みたいに泳ぎます
ハサミをあげたカニたちも
素早く岩場へ横走り
時がとまった錯覚を
生き物たちは笑います
深緑の中に隠れてる
鳥たちもほら歌います
光まばゆい木漏れ日を
浴びて新生しています
やさしい空はクロワッサン
みたいな雲を描きます
山手の丘に吹く風は
山吹色に視えました
ゆっくりゆっくり歩くとき
てのひらがふと寂しくて
今度はきっとあの人と
いっしょに来ようと夢みます
白い香りを降り撒いて
モンシロチョウが飛んでます
まるでだれかを探すよに
ひとりひらひら舞ってます