お買い物
潮の匂いのする公園で
ふたりブランコに乗って
ハナウタでも歌ってさ
おしめりていどの小雨も無視して
逆に
それがおひさまの光を屈折させ
キラキラ輝くのを嬉んで
四方八方しあわせばかりの真っ昼間
一緒にいてくれるのが君で
もうすこしで泣きそうになるけど
これは
小雨がほおを伝っているのさ
涙なんかじゃないからね
公園で一番大きな木は
その命、何百年生きているのだろう
まるで私たち人類の
先生みたいに
今にも語り出してくれそうだ
そしていつしか
日は暮れてゆき
夕空
青がオレンジへ変わる色彩
水彩画のような
そして
また降り出した小雨は
今度はオレンジに染まり
しみじみと私たちふたりに
かるくやさしくふりそそぐ
夜が来る前に
夕餉のしたくをしなくちゃね
ふたりはなにも云わないでもよくて
手をつないで
歩き出す
さぁ
お買い物にゆこうかな