ポエム
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語り手の私事と紡ぎ手の後悔
筆を動かす
その燃料こそ視聴者の声であり続けるはずなのだ。

一抹の不安──
 作品の中の生物たちの存在について。
それは物語の中の存在であり、動かぬ駒である。
……と語るのだ。
 紡がれた悲劇に沿い役を演じる者達は何を思う?
感情などない、ただの駒なのだから。
……と語るのに、
その表情は苦悶に満ちていた。

綴る言葉は人の心を揺さぶるものであった。
その理由について皆同じ意を口にした。
「キャラクターの感情」

踊らされて最後塵芥として捨てられるまで役を演じる。
駒に感情があれば勝手に動いて盤上が滅茶苦茶じゃないか。
  けれど。
それぞれ個々は個々の顔を持ち
それぞれの表情は生々しいものだった。
「そのようなストーリーだから」?
「そのように書き綴るから」?
違う。
「キャラクターたちが個々に動いた結果だから」
「個々に動いた結果を紡いでるに過ぎないから」
その時駒は生命として中途半端に認知された。
溢れ出る彼、彼女等の感情を感じ取る。
他世界の生物がただまた他世界の生物に微妙に認知され、許可もなく書かれていたに過ぎないこと。
それから少しずつ、「駒」と言われた存在たちの影を見ては理解していくのだろう。
19/07/23 00:19更新 / 充電式沈没船



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