ポエム
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主義の争論は人の糧
ヘドニストはそれを求め、常に発信し続ける。

永続的なそれを求めれば求める程、それは遠のく。
盲目的に追い続ければ、それは必ず感じることが出来るもの。
たかが百年の命、人がその短い間にどれほど快楽のことを思考するだろう、と。

イデオロギーは宗教だ。
その宗教こそ淘汰するべきなのだとネオリベラリズムは語り、
ニューリベラリズムはそれに対し黙っていないようだ。
コンセクエンシェリズムが計算を狂わせなければ
コミュニズムがマジョリティによりその勢力を拡大し、
それはそれはとてもいいことだと語る。
レラティビズムが性善説性悪説を語り始めれば
マルチカルチュラリズムが自分語りを始め
話は脱線し始める。
黙って聞いてたニヒリズムはそれでも尚言葉は発さず
グラスに注がれた水に口をつける。


ヘドニストは大きな溜息をひとつつき、また探し始める。
ここにそれは無かった、とその場をあとにする影を見たエウダイモニズムは立ち上がる。
19/07/23 00:16更新 / 充電式沈没船



談話室



■作者メッセージ
 ヘドニスト……快楽主義、快楽を幸福と捉える。
 イデオロギー……観念形態/思想形態、社会に支配的な集団に提示される観念。
 ネオリベラリズム……新自由主義、真の自由とは政府が個人に介入するのは最低限であるとする。
 ニューリベラリズム……新自由主義、自由のためには政府が介入するのは必要なこととする。
 コンセクエンシェリズム……帰結主義、行為を道徳的に判断する時、結果をも考慮する立場。
 コミュニズム……共産主義、財産を共有することにより平等を目指す。
 マジョリティ……多数決/多数派、集団の中に存在する最大の部分集合、その中の強者グループを指すこともある。
 レラティビズム……相対主義、この世の様々なものがその他複数の要素、見方と相対的関係、依存関係にあるとする。
 マルチカルチュラリズム……多文化主義、民族は各自の文化と同様他文化も尊重すべきとする理念。
 ニヒリズム……虚無主義、この世界に意義や目的や心理、本質的な価値はないとする哲学的な立場
 エウダイモニズム……幸福主義、論理の目的は幸福を得ることであるとする思想上の立場。

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