迷霧の連弾 86
理恵はねじった新聞紙を
ボクの方に向けて
火をつけてと言った
ボクはマッチを擦って
新聞紙の先に火をつけた
火はゆっくりと
新聞紙を燃やしている
理恵は山の形に
積み上げられた小枝に
新聞紙の炎をあてた
小枝はゆっくりと
静かに燃えている
しだいに小枝は
パチパチと音をたてて
炎に勢いがつく
理恵は火バサミで薪を掴み
小枝の山に
薪をもたれさせるように置き
ウチワで扇いだ
ボクももう一本のウチワを
手に取って
理恵と一緒に扇いだ
だんだんと薪に火が移り
メラメラと炎をあげ
ボクたちの顔を
夕日のように染めた
25/12/17 01:12更新 / 秋時雨