迷霧の連弾 63
その時保健の先生が
ひとりじゃ建てられないよ
叫び声を上げた
田宮先生はボクに
手伝いに行くよう命じた
ボクは手を止めて
渋々保健の先生の
手伝いに向かった
テントはほとんど
組み立てられていない
こんな状態で
手伝いに行くなんて
よほど田宮先生が
気に入っているのね
理恵のことを
ボヤいていた
そして頼りにしてるよ
ボクに向けて
圧をかけてきた
ボクは無言で頷き
せっせとテントを
組み立てていた
保健の先生は
そんなボクの姿を
笑顔で見つめていた
25/12/06 00:37更新 / 秋時雨