迷霧の連弾 53
駅に着いたら
先生と数人の生徒が
既に着いていた
その中に理恵の姿もあった
理恵は女性の先生に
ピタリと寄りそっていた
理恵に話しかけて
良いものだろうか
こころは葛藤するだけで
答えは出やしない
とりあえず
朝の挨拶でもしよう
そう考えて
いざ理恵におはようと
声を発しようとした
でも声が出ない
終業式の日のように
素っ気ない態度で
あしらわれようなら
キャンプに行くのが
辛くなってしまう
開放的な季節とは裏腹に
閉鎖的な考えが
こころを凍えさせた
25/12/01 01:17更新 / 秋時雨