迷霧の連弾 47
ボクたちは
一緒に教室に戻る
理恵からキャンプの話しが
向けられると思っていた
このイベントが
理恵のこころを
解きほぐすことに
期待をせざるを得ない
そう考えることに
何の無理もない
理恵は瞳を燦めかせて
プリントを見つめていた
きっと頭の中は
三週間後のキャンプが
こころの中を
存分に満たしている
それは疑うことのない
事実なのだから
正にそのはずなのに
教室に戻る間に
理恵は全く言葉を
発することはなかった
理恵の顔は喜びが
隠しきれずに
滲み出ているのに
こころは真夏の空気とは
対照的に冷えきっていた
25/11/28 01:45更新 / 秋時雨