迷霧の連弾 39
次の科学の授業も
その次の授業も
理恵は全く同じだった
もうそれが普通だと
受け止めたら楽なのに
やっぱりこの壁を
突破したいと思う気持ちは
学校の裏山の
クスノキの大樹のように
揺るぐことはなかった
それは理恵も同じだろう
だからこそ
お互いの揺るがない気持ちを
毎週水曜日のこの時間に
照らし合わせることで
自然と信頼関係が芽生え
何か化学反応が起きないか
期待するしかできない
でも期待し続けることで
最終的に何も起こらなくとも
諦めはつくはずだ
そう考えでもしないと
ボクのこの気持ちを
持続させることは
できはしない
25/11/24 02:26更新 / 秋時雨