迷霧の連弾 33
理恵は何も話さないで
ただ教室へと
行進していた
必要最小限の行動
脇目も振らず
目的地にたどり着くこと
それだけを考えている
すれ違う生徒は
目に映ってなど
いないようだ
そんな理恵の行動は
決して何かが
間違っていることなどない
定められた行動を
従順に行っているだけ
それ以上を必要とはしない
学校という世界は
学問を修得する以外
何も必要とはしていない
理恵の背中は
そんな淋しい決意を
堂々と語りかけている
そう思うのは
ボクだけなのだろうか
25/11/21 00:24更新 / 秋時雨