ポエム
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迷霧の連弾 28

すごい匂いだけど

どこか梅雨の匂いがして

嫌いにはなれないんだよ

理恵は楽しそうに

ボクに語っていた

このチャンスは逃すまい

直感的にそう考えたボクは

こんな匂いのする草を

食べ物や薬にしてみようと

考えた人はすごいね

理恵に言ってみた

理恵は笑いながら

昔の人はすごいことを

思いつくんだね

そう言ったら

ボクたちの会話を

聞いていた先生が

文明が発達していなかった時代

人間は生きるために

使える物が身近にあることを

野生的な感覚で

見つけだす能力を

備えていたのかもしれないね

そう言ってまた

ドクダミの花を摘んで

自ら匂いを嗅いで

大きく息を吐いてから

頭がスッキリする感覚が

嫌いになれないんだよ

そう言って再び嗅いでいた
25/11/18 00:28更新 / 秋時雨

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