ポエム
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迷霧の連弾 26


先生は立ち止まり

生徒たちが揃うのを待った

やがて生徒たちが集まると

身近にある花を摘んだ

その花はドクダミと呼ばれ

白い花びらのような

ホウと言う葉が

美しい十文字を形作る

そして中心には

ペンライトのような

黄色い花序と呼ばれる部位に

小さな花がたくさんついている

葉はハート型で

赤紫色の縁取りがある

名前にはドクとついているが

毒はなくて

むしろ十種類の

効能があるとされている

そこまで一気に説明して

先生は摘んだドクダミの

茎の断面を

ボクの鼻先に突きつけた

表現ができない

独特の香りが鼻を襲い

ボクはたまらずに

鼻をつまんだら

理恵はおかしかったのか

笑ってボクを見つめていた
25/11/17 03:25更新 / 秋時雨

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