迷霧の連弾 204
いよいよ時は来た
ボクたちは舞台に立っていた
大ホールの舞台は
照明が煌々と照らす
一方観客席は真っ暗で
椅子にかける人の顔は
識別できないほどだった
ボクたちは雨雲の上に立って
下界を見下ろしている
舞台はそんな気持ちにさせて
収まったかと思った
緊張感が舞い戻ってきた
整列を終えて
直立すると
気持ちを落ち着かせる動作は
できなかった
どうなってしまうのだろう
緊張感は不安感に
変わろうとしていた
そんなみんなのこころを
合唱コンクール委員は察して
指揮棒で大きく振り上げ
みんなを注目させて
大空に向かって歌うよ
抑え気味の声で叫んだ
26/02/20 02:08更新 / 秋時雨