迷霧の連弾 199
あの日以来
理恵がボクに
視線を送ることが多くなった
でも声をかけられることはない
視線には笑顔がない
むしろ少しツラそうな感じが
込められている
ボクはなにか
物足りないと思ったけど
これまでの理恵の態度からは
大きな変化だった
理恵を応援していた気持ちが
ようやく伝わったのだろう
ボクは少し報われた気になった
このまま理恵と
日常的に会話をして
お互いのこころの内を
共有できる関係
そんな飛躍的に事は進まない
頭では分かっていても
こころはそれを
期待して止まない
再び運命的なアクシデントが
ボクたちの距離を
近づけてくれる
そんな都合の良いことを
厚かましくも考えてしまう
ボクはそれを
深まった秋の幻想が
ボクの情緒を
くすぐっているからだと
思わざるを得なかった
26/02/18 02:40更新 / 秋時雨