迷霧の連弾 198
理恵に贈られた
時雨のような拍手は
次第に収まって
雨があがるようにに鳴り止んだ
それを合図に
みんなは合唱コンクールの
練習を始めだした
この一件で
理恵はみんなから
気にかけられるのか
そう願って理恵の周囲を
眺めていたけど
理恵に話しかける者は
誰一人いなかった
合唱コンクール委員だけは
時たま理恵に目配せをしている
それでも理恵は
いつものように
泰然としていた
そんな理恵の姿を
ボクは淋しく眺めていた
でも今までどおりであることを
良いことと受け止めて
自分の気持ちを落ち着けたら
ふと気配を感じた
それはボクに対して
感謝の気持ちを
伝えているかのような
理恵の切なそうな
眼差しだった
26/02/17 00:49更新 / 秋時雨