迷霧の連弾 197
折角理恵が勇気を出して
みんなの前で謝ったのに
そのこころを無駄にしたくない
ボクは頭をフル回転させて
みんなを静まらせる手段を
考えていた
今のボクに出来ること
理恵のためにボクがしたいこと
それは理恵を応援すること
ならばこれしかなかった
ボクはおずおずと
両手を胸の前に出し
理恵に向けて拍手をした
みんなの視線はボクに向いた
たったひとりの拍手が
教室にむなしく響いている
それでもボクは拍手を続けた
やがてひとり又ひとりと
唱和してくれた
そして全員が理恵に向けて
拍手を送った
理恵は目を丸くして
みんなを見ていたけど
やがてボクの方を向いて
深々とお辞儀をした
26/02/17 00:47更新 / 秋時雨