迷霧の連弾 153
理恵は完全に真下を向いた
その姿からは
絶対に顔を合わせない
鬼気迫るような
強い意志が込められていた
そんな理恵のこころを
彼女が察したのか
首を反対方向に向け
廊下の窓際から
外を眺めながら
ボクたちとすれ違った
理恵は彼女とすれ違う時
顔を紅潮させて
全身を硬直させて
呼吸さえも
止めているようだった
そしてようやく
彼女とある程度遠のいた
理恵にボクは
何か声をかけようかと
思案していたら
理恵は突然走り出し
勢い良く教室に飛び込んだ
そんな理恵を
ボクは追うこともできず
立ち尽くしていた
もう今後一切
理恵に近づくことはできない
ボクははそれを
受け止めるしかなかった
26/01/20 01:31更新 / 秋時雨