迷霧の連弾 125
ボクたちが
中学校に入学してから
10日ばかり過ぎた頃
理恵は休み時間に
保健室にきた
保健の先生が具合を尋ねても
何も言わなかった
とりあえず
ベッドで寝させて
様子を見ていたけど
泣きもわめきもしなかった
放課後になって
何事もなかったかのように
ベッドから起きて
一礼だけして
保健室から出て行った
それからも
週に2日か3日は
そんな日があった
理恵はいつも一人で
保健室にきていた
保健委員も担任も
付き添うことはなかった
そしていつも無言で
保健の先生の前に立って
ベッドで寝るように
言われるまで待っていた
そして決まって放課後に
何も言わずに
一礼だけして
保健室から出て行く
そんな時期が
一ヶ月ばかり続いた
26/01/06 00:00更新 / 秋時雨