迷霧の連弾 119
駅前のバス停で下車したら
先に着いていた田宮先生と合流する
田宮先生はみんなの前に立ち
今回のキャンプを総括した
田宮先生は得意げに話すけど
もはや誰も耳にも
セミの鳴き声のように
ただただ通過しているだけ
さすがの理恵も
寝起きの半開の目で
ぼんやり聞いているだけだった
ようやく解散の号令が
田宮先生の口から発せられ
みんなはのっそりと
帰途につきだした
炊きたてのご飯が食べたい
そんな声も聞こえてきた
理恵は二人の先生に
あいさつをしたら
さっさと家路についた
ボクにはあいさつどころか
目をくれることもない
そのことに対して
悔しいとか淋しいという
感情は起こらなくなっている
自分の感情に
それで良いのかと
自問していたら
保健の先生がボクに
少し残って欲しいと言った
26/01/03 01:30更新 / 秋時雨