迷霧の連弾 118
11時過ぎに
帰りのバスに乗り込む
みんな修験道を終えて
疲れ果てていた
ボクもその一人
でも理恵だけは
充足感に満たされた
夏空に負けない
目映い笑顔だった
車内の快適な環境で
みんなすぐに
雲のように寝てしまった
理恵も安らかな顔で寝ていた
夢の中でキャンプの続きを
見ているのだろうか
そんな理恵とは反対に
ボクはモヤモヤした気持ちで
眠れないでいた
夕べ先生たちと
何を話していたのか
どうしても気になった
そしてコハナヤスリが
あの形である理由を
いつも科学の授業を
一緒に受けている
ボクにではなくて
保健の先生に言ったこと
それが悔しくて
やるせなかった
どうせボクは
先生には敵わない
そうふて腐れて
バスを降りるまで
車窓から見える青春の景色を
睨んでいたのだった
26/01/02 02:54更新 / 秋時雨