迷霧の連弾 115
田宮先生の指す先には
20cm程の
小さな草が生えていた
群生はしていないけど
何本かチラホラと見える
葉は一枚だけで
ギザギザしてはいない
茎はひょろひよろとして
一本限りだった
オオバコのような形の草
もしかしてこれも
そう考えていた矢先に
これはコハナヤスリいう名の
立派なシダ植物だ
先生は世紀の大発見でも
したかのような勢いで
叫んでいた
ボクたちに見せたかった植物
決して艶やかさはないけれど
可憐で手元に置いておきたい
そんな植物だった
そんなボクの気持ちを
読んでいたのか
決して摘んではいけない
掘り起こして持ち帰るなど
言語道断だ
何せ希少植物だから
大事に守らないといけない
先田宮生は声を荒げて叫んだ
26/01/01 02:07更新 / 秋時雨