迷霧の連弾 110
次第に明るさが増す
それに連れてヒグラシの声が
小さくなって
いつの間にかどこかへ
行ってしまったかのように
鳴き声は聞こえなくなった
そしてみんなは
現実に連れ戻され
時間というモノを
意識し始めて
時計を気にしだす
今の時刻は6時頃だろうか
まだ起きて行動するには
早いけれど
寝直すような時間でもない
みんなは何をすれば良いか
分からないので
無言で田宮先生の顔を
見つめていた
田宮先生はみんなに
顔を洗って朝食にする
そう言ったら
みんなはするべき行動を
示されたことに
何ら感情を発することなく
まるでセミの抜け殻のように
無表情のままに
ゾロゾロと洗面用具を持って
炊事場に向かった
25/12/29 01:13更新 / 秋時雨