ポエム
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一番生きてる私を

私が一番
優しかった時

三人がかりで
上級生に
いじめられてる子を
助けたようとしたら
気づけば

いじめられてた子が
私に
ケリを入れ
いじめっ子たちの
仲間になっていた

私が一番
素直だった時

大すきな先生がいた
ときおり
「継続は力なり」
「優しさが大切」
そう言っていた

同級生の男の子が
屋上近くの階段の
踊り場まで呼び出し
私の口を手で抑えて言う
「優しさを継続しよう」

私が一番
友だちを信じてた時

友だちと
ふたりで
プレステ2を
二万円で買いに行った
そしたら

となりのクラスの
こわい不良が
私のプレステ2を
力ずくで奪おうとした
友だちはただ見てるだけ

私が一番
死にたかった時

ある日
飛び降りた
意識を数日失い
目が覚めたころには
病院のベッドの上

顔から出血し
声もおかしくなった
よくわからないが
意識不明の間の
人工呼吸がなければ

死んでいたようだ
浅くはなったが
顔に
傷痕が残った
全てを恨んだ

私が一番
奇麗だった時

大学で
恋に落ちた
精一杯お洒落して
あの人好みの子に
なりたかった

でも突然
あの人から
性的内容の
メールが何通も来て
無言電話が四十回以上

自分が
大すきだった人を
突き放すのが
つらかった
いつでも死にたい

けど…けど!
素晴らしいから
生きるのが人生
なんかじゃない
どんなに苦しくても

私は生きてきた

この心ひとつで

25/02/05 20:40更新 / 木内のり



談話室

■作者メッセージ

タイトルは、
中島美嘉さん
の影響です。

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