わたしの背中
夏休み最後の日
廃病院へ
わたしたちは
いなくなろうとした
この世から飛び立つ
天使みたいに
みんな
13歳だった
ただ生きているのが
ぼんやりと不安で
13歳になると
大好きなアニメの主人公は
みんな何か大きなことを
している気がした
なのに自分たちだけ
何もしていない
そんな気がした
それぞれ抱え込んだ
コンプレックスは
とっても大きかった
だから!
みんなで
いなくなることにした
苦しいことだらけの
この世にサヨナラ
今までで
一番やさしい
天使の笑顔を浮かべながら
屋上から飛び降りようって
でも!
それだけじゃ
だめだったの!
屋上で今まさに
飛び降りようとした時
みんな
あれこれ言い始めて帰ってゆく
気づけば
わたしは廃病院で独りぼっち
それなら
独りで死んでやろうと思った
だから
飛び降りた!
落ちるというより
宙を浮かんでゆく感覚
これで
死んで天使になれる......
だけど......
生きていた
背中から落ちた、わたしは
背面に醜いアザ
今でも残っている