冬の華
やるせない心
人は皆 どうしてるのかな
捨てられれば いいけれど
後生大事に 抱きかかえて
いつまでも 手放せない
冬に近づく
華やぐ季節は とうに過ぎ
雪虫が 舞う季節
胸の中には しくしくと
時折 痛みが襲ってくるから
立ち止まっては 蹲る
ススキの野には
セピア色の風景と
薄く輝く 雪虫と
流れた月日の
残影だけが 飛び交うようで…
去年着ていた
あのスウェードのジャケットは
今年も 着ているのでしょうか
合わせたインナーも スカートも
冬に咲く 花のようでした
纏った君は 冬の花 薄紫の 冬の華