季節違えて　咲く桜

心に咲いた　白い花

はかなく　そして　愛らしく


華やぐ春に　シート広げて

お弁当食べた日

桜並木を　爽やかな風が渡り

君の笑顔が　柔らかく光る


肩に降りかかる　薄ピンクの花びらを

そっと払いのける　その細い手に

優しさと　愛しさを見た


今はもう霜月

ススキの野にも　淋しさが渡る


ふと見つけた　小さき白い花

桜という　同じ名前に　涙を誘う


季節違えて　咲く白い花

ただ　寂しくて　

そのつぼみに　花びらに


そっと触れてみる　

君の微笑みに　吸い込まれていくようだ


今はただ　遠い日の　

桜の花が　散った後のように…



　　　冬桜　凍える季節に　咲く　白い花

　　　　　　　凍える心に　咲く　白い花

■作者メッセージ
ピンクのシャツに　紫のスカート
白い微笑みが　心に浮かびます

冬のさくらに　そっと触れてみる