しぶき
車が通るたび
しぶきが跳ね上がる
それをぼんやり
見ている僕は
帰り道
車が汚れなきゃいいな
なんて 呑気に考えてる
そう言えば
君に会う前の日
必ず洗車してたっけ
いつも奇麗にしてるねって
言われたくてさ
美しい君に相応しい
ただ それだけのこと
素直に そう思ってた
黒の車体は僕ので 白は君
日除けシートをしっかりつけて
微笑みながら乗り込んでくる
いつも待たされたけど
忙しい君に会える日は
精一杯 楽しませたくて
無理にはしゃいでいたのを
知ってましたか
いつか訪れる
別れの季節を予感して
思い出が 二人だけの思い出が
微笑みのまま 残されるように
あの白いクーペは
もう 買い換えましたか…