言いたくない喉の動きを
忠誠心を示すために
腹の中で握りこぶしを作って
バズーカスイッチオン

反動で後ろに
すっ飛ばされた
悔やむ魂は
独裁者の褒め言葉で昇華

言ったのは私だが
言わせたのは私じゃない
言いたかったわけじゃない
言わせられたのは本当の私じゃない

目で訴えても
裁判所は書類を要求
弁護士は金を要求
友達は見て見ぬ振りに全力投球

忠誠心の先輩が
肩をポンと叩いて頷く
「これでお前も一人前」
ほっとしてぎょっとする

何なんだこの世界
アルカポネか？
ゴッドファーザーか？
菅原文太か？

ませた人心掌握力高いだけ系の
ずる賢い吹聴や流布
ハマグリ化した
昨日までの同級生の貝が開かない

そんな窮地を恐れるあまり
絶妙な立ち回りで
腰巾着しつつ
気配を消して隠れる

反面教師のお手本教師が
頼りなく始める授業は
ひとときの安らぎの時間
ノートと黒板にだけフォーカス

終われば
聞こえてくる

レイシストの卵たちの
殻の割れる音が