ひとそれぞれ
ウェディングドレスの花嫁に
「綺麗だよ」と本心で口にするが
式に来た花嫁の友人に目が行く花婿
今の彼に
十分に満足しているが
予備作りのためにさりげなく匂わす女
窓を開けて顔に当たる微かな風
「もっと吹け」と目を閉じて
自然界へ心地良さを欲する
「なんて無残な」と目を閉じて
被災した人々の心を憂い
更なる追い討ちをかける自然界を憎む
強い日差しが
雲のおかげで影になる
ひとときの安堵感
土砂降りの雨が
突然止んで空を見上げる
傘についた滴をパタパタと回し取る清々しさ
いつもは飛んでくるグーが
パーになって頭を撫でる
怯えた素振りを堪えて喜んでいるフリ
お節介なほどの気配りが
今となっては懐かしくご無沙汰
もう二度と配られない気が恋しい
生きたい重病人
死にたい健康体
「綺麗だよ」と本心で口にするが
式に来た花嫁の友人に目が行く花婿
今の彼に
十分に満足しているが
予備作りのためにさりげなく匂わす女
窓を開けて顔に当たる微かな風
「もっと吹け」と目を閉じて
自然界へ心地良さを欲する
「なんて無残な」と目を閉じて
被災した人々の心を憂い
更なる追い討ちをかける自然界を憎む
強い日差しが
雲のおかげで影になる
ひとときの安堵感
土砂降りの雨が
突然止んで空を見上げる
傘についた滴をパタパタと回し取る清々しさ
いつもは飛んでくるグーが
パーになって頭を撫でる
怯えた素振りを堪えて喜んでいるフリ
お節介なほどの気配りが
今となっては懐かしくご無沙汰
もう二度と配られない気が恋しい
生きたい重病人
死にたい健康体