いつものように夜空を泳いでいると
月に出会った

真っ黒になった空の中を
月も泳いでいた

あたしたちは言葉を話さない
白い雲や太陽と違って
沈黙を好む

静かに、静かに、
月の鋭い光に貫かれた
光は冷たくてちょっと痛い

ゆらゆら、ゆらゆら、
あたしは重力と縁を切っていた
眠る理由がなくなった

眼鏡をどこかに落として
月がぼんやりと大きくなった
光が大きくなって
どんどん大きくなって
飛び上がった


もう昼だった

■作者メッセージ
夢？