少し涼しくなった頃
女は昼間いなくなる
夏休みが終わったなんて言い訳だ
今日は土曜日だぞ
どうせあの男に会うんだろう
僕は机に寝転んでわるさでもするよ
さみしいよって文句を言っても
僕をぎゅうと抱きしめただけで
僕の気持ちを知らない
これからも知ることはない
女が僕を抱きしめるとき
いっぱいすりすりしてやった
なぜだと思う？
にゃーんと一言ヒントをあげたけど
それでも女は気づかない
結局女はそのまま家を出た
新品の洋服がけむくじゃらなのに

■作者メッセージ
猫との暮らしに憧れがありますが、叶わぬ夢なので想像だけしてみました。