酷く荒れた部屋も
罵詈雑言穴の空いたノートブックも
なんだかおかしくなって少し恥ずかしくなって
他人事のように笑ってしまう

今日のあたしは全知全能
レトロチックな喫茶店に迷い込む制服の少女のように
心は煌めく
夏風を纏い街を舞う

(いつもこうだったらいいのに)

慣性の法則に容易く逆らって
くるくるくるくるあたしは踊れる

(頭痛だけが残る)

グラデーションするアイシャドー
瞳に映る世界は輝き始める
リップブラシと唇が触れ合い
ゆっくり皮膚を染めていく

今日は声が出るかもしれない
今日は声が出るに違いない

今日のあたしは全知全能
彼の人を空に見る
恋愛小説の主人公のように
ゆらゆら揺れるクリームソーダの海に浮かぶ
できないことなんてないんだから

(いつもこうだったらいいのに)
(いつもこうだったらいいのに)