ポエム
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わた雲
ある詩人は雲とおしゃべりするらしい
大きくなったあのわた雲は
どんな話をしてくれるのだろう

その声は木の葉を揺らし
カーテンを通り抜けて
小さな部屋に届くのだろう

「二人きりで遊ぶのはどうだい」

口数の多い参考書を閉じて
手を伸ばしてみる
わた雲はすぐそこまで来ていた

雲の隙間から見える青空は
底の見えないプールのようだ
まじまじと覗き込んでは
ぎゅっと雲にしがみつく

「空に落ちないように気をつけて」

真昼の空は深すぎて
とてもじゃないが泳げない

日光は強くなり
雲が小さくなっていく
プールが広くなっていく
体が震える

青空に飲み込まれる前に
帰らなくてはならない
20/07/12 13:37更新 / ともろう



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