わた雲
ある詩人は雲とおしゃべりするらしい
大きくなったあのわた雲は
どんな話をしてくれるのだろう
その声は木の葉を揺らし
カーテンを通り抜けて
小さな部屋に届くのだろう
「二人きりで遊ぶのはどうだい」
口数の多い参考書を閉じて
手を伸ばしてみる
わた雲はすぐそこまで来ていた
雲の隙間から見える青空は
底の見えないプールのようだ
まじまじと覗き込んでは
ぎゅっと雲にしがみつく
「空に落ちないように気をつけて」
真昼の空は深すぎて
とてもじゃないが泳げない
日光は強くなり
雲が小さくなっていく
プールが広くなっていく
体が震える
青空に飲み込まれる前に
帰らなくてはならない
大きくなったあのわた雲は
どんな話をしてくれるのだろう
その声は木の葉を揺らし
カーテンを通り抜けて
小さな部屋に届くのだろう
「二人きりで遊ぶのはどうだい」
口数の多い参考書を閉じて
手を伸ばしてみる
わた雲はすぐそこまで来ていた
雲の隙間から見える青空は
底の見えないプールのようだ
まじまじと覗き込んでは
ぎゅっと雲にしがみつく
「空に落ちないように気をつけて」
真昼の空は深すぎて
とてもじゃないが泳げない
日光は強くなり
雲が小さくなっていく
プールが広くなっていく
体が震える
青空に飲み込まれる前に
帰らなくてはならない