ポエム
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曇天
周りには何もなかった

ただ濁った色の雲が
空一面を覆っていた

何故こんなところにいるのだろう

思い出そうにも記憶は曖昧で
頭の中さえ雲に覆われているようだった


ただ、
大切なものさえ忘れてしまったことだけは
すぐに分かった


それだけは思い出したくて
それだけでも思い出したくて

きっと覚えてない人生の中で一番
僕は神と言うものに縋った


『正解だ』と、聞こえた気がした

縋りながら
朧気に感じていた存在の声の神々しさに
思わず声の方を振り仰いだ


曇天の空から、光が一筋漏れていた

その光の下には、
一番大切なものの影が一つ






『どんなに暗い場所でも君を見つけるよ』


遅くなってしまったけれど
何度だって僕は
あの日の約束を果たしに行こう
20/04/05 12:47更新 / 星川詩織



談話室



■作者メッセージ
もし、思い悩むことがあったら、空を見上げろ。
そして、蒼天を思え。
蒼天に願え。
どんなに曇ろうとも、雲の上は常に蒼天だ。

アニメ『蒼天の拳』より

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