冴えないオヤジからちょい悪オヤジに大変身の僕は、本気で恋に落ちてしまいそうな透明感のある28歳の美人とデートしました。
すっかり秋らしくなりました。
朝晩は肌寒く感じてきたので、早々と毛布をかけて寝ています。
この時期になると、今年もあとわずかだと実感します。
恋をしていると身も心も若返ります。
恋活する前は、僕は普通に地味な服ばかり着ていました。
友人に言わせると、ジジ臭くてダサかったそうです。
風貌が一変しました。
体重はトレーニングによって10kg近く落ちました。
意識してファッショナブルな洋服を着るようになりました。
オシャレに気を使うようになりました。
冴えないオヤジからちょい悪オヤジに大変身です。
先月、僕のアプローチに応えてくれた28歳の女性とのデートがようやく叶いました。
彼女の写真を見たのはデート前日でした。
それを見てヤバイと思いました。
彼女は透明感のある美人で女優の本仮屋ユイカさんにどことなく似ていました。
案の定、会った瞬間に一目惚れしてしまいました。
このうえない喜びと同時にとてつもない緊張感が走りました。
ハロウィンの雰囲気漂う街中をゆっくり散策しました。
緊張で会話は途切れがちでしたが、一緒に歩いているだけで、幸せな気持ちになりました。
彼女はとても物静かでおとなしい女性でした。
イタリアンレストランで食事をとりました。
目の前にいる彼女を見て、彼女のすべてを知りたいと思いました。
焦る気持ちを抑えつつも、聞きたいことはたくさんありました。
一番興味があるのは彼女に今彼氏がいるのかどうかでした。
でも野暮な話は言わないでおこうと思いました。
夢のようなこの瞬間、幸せなこの空間を壊したくありませんでした。
趣味の話になると、彼女もリラックスできたようでした。
趣味が音楽鑑賞というので、どんな音楽を聴くのか尋ねると意外にもロック好きでした。
最近の音楽に疎い僕は、彼女が話すミュージシャンの名前がわからず悪戦苦闘しました。
特にファンクラブに入るほどのB’zファンで、コンサートにもよく足を運ぶそうです。
B’zぐらいなら僕も知っていたので、なんとか彼女の話についていくことができました。
お酒は弱いという彼女でしたが、雰囲気でワインを一緒に頂きました。
彼女の笑顔が何よりの肴でした。
本当に知りたかったことは何一つ聞けなかったけど、彼女の顔を見ているだけで満足でした。
気づけば彼女の頬はほんのりとピンク色に染まっていました。
まだまだ宵の口だったけど、別れの時はきました。
じゃあまたと手を振る僕に、改札口の向こうの彼女は軽く会釈しました。
それがどういう意味なのかわかりません。
また会いたいと強く思いました。
薫さん、ごめんなさい。
本気で恋に落ちそうです。

